a little happiness

~小さな幸せをみつける生活~

【重症児者・医療的ケア児と共に創る未来のカタチ】の講演会を聴いて

みなさん、こんにちは。eicocoです。

前回のブログでお伝えした、講演会を聴きに行った感想を、今日はお話したいと思います。

 

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主催者挨拶

今回の講演会を主催した方の挨拶が初めにありました。

主催者様は、難産のため出産が停滞し、分娩まで子どもが低酸素となり、新生児重症仮死として娩出されました。

後遺症として、重症痙性四肢麻痺と診断され、10歳になる現在も首も腰も据わらない全介助の状態です。

退院後は、泣いてばかりいたそうです。

しかし、子育て支援事業の施設に行ったときに、寝たきりの子どもたちの傍らに、大笑いで笑うお母さんたちがいるという光景を目にし、我が子と向き合うことができたのです。

この先、我が子の将来のこと、そして励ましてくれたお母さんたちとその子どもたちのために、「重症児デイ」を開設する決意をしたということでした。

 

講演①重症児デイから始める重度障がい児・者の地域生活

全国重症児デイサービスネットワーク代表理事のお話でした。

名古屋で重度障がい者生活介護施設や、重症児者短期入所施設などを運営しています。

この講演で印象に残ったことは、

  • 新生児死亡率が低下している一方で、重症児が増えていること
  • ここ10年で、在宅で人工呼吸器を必要とする医療的ケア児が一年に1000人ずつ増えている
  • 医療的ケアとは、医療と福祉の融合
  • 重症児者、そのお母さん、スタッフが笑顔で幸せに暮らすことが大切

まず、全国重症児デイサービスネットワークって何?という疑問から始まりました。

これは、全国各地で重症児デイの新規設立、運営の経営相談、事業所間交流などを実施しています。

 

近年の日本は、新生児の死亡率が世界で一番低いと言われています。

1000gにも満たない赤ちゃんが産まれても、助かることができるのです。

しかし、助かった赤ちゃんがそのまま何の障がいもなく成長していくとは限りません。

何らかの後遺症をもって成長していくのです。

近年、医療的ケア児が増加している理由として、このような背景があったことに、私はとても複雑な気持ちになってしまいました。

命が助かればそれでいい」とは簡単に言えません。

「医療的ケア」という言葉を見ると、真っ先に「生命の安全」が第一に考えられますが、この講演では「医療と福祉の融合」と言っています。

命はもちろん大切ですが、医ケア児の社会性も大切になってくるということです。

その人がその人らしく生きる」ということだと思いました。

子どもなら、3歳ぐらいになると幼稚園に入園して、お友達ができて、親以外との関わりが増えてくると思います。

医ケア児にも、そのような環境が必要なのです。

そして、医ケア児が幸せになるためには、周りにいるお父さん、お母さん、施設のスタッフや地域の方々が幸せに暮らすことが、医ケア児の幸せにつながるということも言っていました。

 

講演②重症児の地域生活を支える

二人姉妹のお母さんの講演でした。

姉妹は二人とも、産まれた時から障がいをもっており、遺伝とのことでしたが、今もはっきりとした病名はわかっていないそうです。

このお母さんは、①で講演した、全国重症児デイサービスネットワーク代表理事の方と出会い、重症児のデイサービスを開設しました。

この講演で印象に残ったことは、

  • 出産後、子どもはNICU(新生児集中治療室)に入院していたが、在宅でみれる状態になると、「早く退院してくれ」という空気を感じ、つらい日々を送っていた
  • 重症児に対して、医療者側の視点は、生命の安全が第一だが、家族側の視点は、社会生活(外出、遊び、出会いなど)が一番大切

 

NICUとは、早産児や低出生体重児、または何らかの疾患のある新生児を集中的に管理・治療する集中治療室です。

ここでの治療が終了し、退院が近づくにつれて「早く退院してくれ」との空気を感じていたそうです。

障がいをもった子どもを育てる決意をするには、数日や数週間では気持ちが固まるわけがありません。

もちろん、医療者側も「早く退院してほしい」という態度をとっていたわけではないと思いますが、絶望の淵にいるお母さんにとっては、何気ない周りの言葉や態度で気持ちを揺すぶられることがあると思います。

すべてが悪い方にしか考えられなくなるのです。

また、病院では医療従事者にとって、すべての患者様において生命の安全が第一に優先されます。 

しかし、それは家族側の視点では違っていたことに驚きました。

特に、医ケア児の家族は、命はもちろん大切ですが、それよりも社会性を大切にしているのです。

これは、講演①についても同じことを言っていました。

このように、医療者側と家族の間で意識の違いがあるのですから、きっと医ケア児と関わりのない地域の方々も、医ケア児について考えた時に、命の安全を一番に考えてしまうのではないでしょうか。

だから、医ケア児が社会で暮らしていくための制度がまだまだ不十分な状態にあるのだと私は思いました。

わかりやすく言うならば、医ケア児と関わりのある人、もしくは医ケア児の家族が制度を作ればいいのです。

講演者様も、そう思ったから自ら行動を起こし、医ケア児とその家族の居場所を作ったのではないでしょうか。

 

最後に

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まずは、私の文章力の無さに、伝えたいことが半分も伝えられていないような気がして、申し訳なく思います。

子どもを見てもらう人がいなくて、講演会に子ども二人を連れて行って聴いていたのですが、やはり途中でぐずってしまい、最後までは聴くことができませんでした。

 

とにかく、この講演を聴いて私が強く思ったことは、

同じ子を持つ母として、他人事とは到底思えない

ということでした。

主催者様の挨拶、そして講演②の講演者様は、途中涙を流しながらお話しされていました。

私も何か力になりたいという思いを、主催者様にお伝えしたかったのですが、途中で退室してしまったため、伝えることができませんでした。

なので、アンケート用紙に、名前と連絡先と、お力になりたい旨を書き残してきました。

もしそのメモを見つけてくれて連絡を頂ければ、ぜひ協力したいことを伝えます。

長く見て2週間連絡がなければ、またこちらからアクションを起こしていきたいと考えています。